- ROBO Production Project Team -

MEMS（メムス：Micro Electro Mechanical Systems）デバイスを使ったシステムなどのアイデアを競う国際大会「第５回国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト」が７月２０日、世界１０カ国から２３チームが出場して仙台市の東北大学で開かれ、福島県立郡山北工業高等学校（福島県郡山市）のROBO Production Project Teamが東日本大震災の教訓を生かして防災や防犯に役立つロボット「Pro ROBO」を発表し、First Prize（１位）になりました。高校生から大学院生が出場する同大会で高校生チームが世界一になるのは初めてです。日本チームが世界一になったのは、第２回大会での京都大に次いで２度目。
　大会では、電子部品の一つ「微小電気機械システム（MEMS）」の活用法を競う。今回が国内初開催で「マイクロ・ナノテクノロジーの防災・減災への応用等」をテーマに開かれました。国内から本校のほか京都大（２チーム）、東北工業大、東北大の４チームが参加しました。
　本校の参加者は、いずれもコンピュータ部の鈴木智弥（機械科３年）、伊藤謙志郎（機械科３年）、上田勇一朗（情報技術科３年）、渡辺和樹（情報技術科２年）、渡辺友海（情報技術科１年）の５人。防災には「情報共有が必要」として、３種類のMEMSデバイスとタブレットを搭載し、家族の安全を守る多機能型ホームセキュリティロボット「Pro ROBO（プロロボ）」を発表しました。

　例えば、留守宅のへ侵入者を温度センサが感知したら、警告を発するのと同時に居住者に電子メールで知らせることができます。居住者は、ロボットを遠隔操作し、ビデオ電話により室内の映像を見ることができます。また独り暮らしのお年寄り宅で加速度センサが地震の揺れを感知した場合、遠隔地の家族に通知するよう設定しておけば、同様の方法で安否の確認ができます。つまり、振動や熱などをセンサーで感知して地震や火事などの家の異常を家人にメールで知らせたり、ネットワークで周辺の家の人にも知らせるなど災害に強い地域づくりにも効果が期待できます。また、建物の下敷きになった行方不明者が捜索できる機能も搭載しました。コンテストでは「防災・減災」のテーマに合い、完成度が高い点が評価されました。
　本校は国内予選１位で３年連続の国際大会出場。昨年、スペインバルセロナで開催されたコンテストでは「Sma ROBO（スマロボ）」を発表し２位でした。